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弁護士秘伝! 教師もできるいじめ予防授業

16面記事

書評

真下 麻里子 著
兆候に気付き、動けるクラスに

 「『授業づくりのプロ』の皆様へ。『法律のプロ』とコラボ(コラボレーション・協力、協同)しませんか?」と、本書表紙の帯部分に書かれている。著者は弁護士(NPO法人ストップいじめ!ナビ理事)で、教育学部出身者。中・高校の数学教員免許を持つ人だ。
 子どもたちが、いじめに対する考え方を身に付けることが、いじめ予防授業の目的。(1)いじめに“気付ける”クラスになること(2)気付いた後に“動ける”子どもが増すことをねらいとする。いじめは”人の尊厳”を傷つけるから、してはならないのだ。本書は2章構成。「いじめ予防授業」についての説明や実際の運び(授業法)を述べたのが第1章。
 (ア)いじめの予防授業の目的や使い方(イ)いじめの予防授業の実践が詳しく書かれる。(イ)については(1)「いじめの定義」を学ぼう(2)「いじめの構造」を学ぼう(3)「中立」を考えてみよう(4)模擬調停をやってみよう―と四つの順番を追いながら、用いる事例も示す。これは、弁護士自らの中・高校での“いじめ予防授業”の体験を重ねての提言である。
 教師は、「子ども第一」と業務に取り組んでいるが、教師自身の“護身術”を身に付けることも強調する。
 (1)情報の共有と(2)記録によって身を守る。(3)早めに専門家の意見を聞くことで、自らを守ることの大事さが説かれる。
(2160円 教育開発研究所)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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