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学校の時間対効果を見直す!

16面記事

書評

エビデンスで効果が上がる16の教育事例
森 俊郎・江澤 隆輔 著
「SICO」手法で考え方を整理

 「協同学習」や「振り返り」にはどんな効果、意義があるのか…。取り入れる指導方法は確信を持って取り組まれているだろうか。
 本書は「エビデンス」(科学的根拠)を探し求めながら、どんな児童・生徒(Student)に、どのような手立て(Intervention)で、何と比べて(Comparison)、どんな成果(Outcome)がある・あったか、「SICO」という手法によって、考え方を整理することを提案。
 例えば、宿題を増やすことが学力向上を促すかというテーマであれば、「自分の学級の生徒に」(S)「宿題をいままでどおりだすのと」(I)「宿題を減らすのとでは」(C)「どちらが学力が上がるのか」(O)と整理する。
 エビデンスは文科省委託研究「平成25年度全国学力・学習状況調査の結果を活用した学力に影響を与える要因分析に関する調査研究」。宿題はやらないよりやった方が良いが、大きく向上するほどの効果はない。小学校より、中学校の方が宿題効果は高く、保護者の関与が必要とされる。こうした材料をそろえ、見直した結果どうするのか、考えるヒントを与える。
 同様に、学習指導編7テーマ、生活指導編6テーマ、教師の業務編3テーマ、計16テーマを取り上げる。
 全てのテーマにエビデンスがあるわけではないが、提案された枠組みによって、指導法や業務を見直すことは可能ではないか。
(1728円 学事出版)
(吹)

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