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「学校施設・設備整備の課題に関する調査」まとめ

13面記事

施設特集

~ICTを活用できる施設整備~

 普通教室・特別教室など校内全ての部屋に無線LANを設置している自治体は3割で、バリアフリー化や建築物としての性能向上に向けてはトイレの洋式化が最も進んでいる―。日本教育新聞社が実施した「学校施設・設備整備の課題に関する調査」からは、そうしたことが分かった。本年度の調査結果を詳しく紹介する。

 新学習指導要領の全面実施が、小学校は来年、中学校は再来年に迫っている。
 このことを踏まえ、文科省の「学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議」は本年3月、報告書「これからの小・中学校施設の在り方について」をまとめた。これを受け、同省は小・中学校施設整備指針を改訂した。
 報告書では、新学習指導要領への対応を含めた、ICTを活用できる施設整備を求めている。そこで、各自治体に、市区町村立学校の無線LAN環境の整備状況について、選択肢を設けて調査した。
 「普通教室・特別教室など校内全ての部屋に無線LANを設置している」が180自治体で最も多く、全体の33・3%を占めた。
 「普通教室だけに無線LANを設置している」は47自治体(全体の8・7%)、「PC(特にノート型PCやデスクトップ型PC)を使用する特別教室(コンピューター室など)だけに無線LANを設置している」は45自治体(同8・3%)だった。
 その一方、「学校に無線LANを設置していない」と回答したのが90自治体(同16・7%)あった。
 「その他」も176自治体(全体の32・6%)と多かった。記述内容を見ると、「普通教室とPCを使用する特別教室に設置している」「移動式のアクセスポイントを設置している」が多くを占めた。
 少数意見としては、「職員室に簡易的なものを設置」があった。このように、教職員が教務用にのみ使用している自治体もある。
 「普通教室だけに無線LANを設置している」「PC(特にノート型PCやデスクトップ型PC)を使用する特別教室(コンピューター室など)だけに無線LANを設置している」「学校に無線LANを設置していない」と答えた自治体には、今後の校内全部屋への無線LANの設置予定について聞いた。

 「ある」と回答したのは60自治体にとどまり、「ない」が75自治体を占めた。45自治体が答えた「その他」の内容は、大部分が「検討中」だった。
 その他、全自治体にICTを活用できる施設整備について、複数回答で聞いた。

 「普通教室への大型提示装置の設置」が387自治体、「タブレットPCなどの情報端末の収納場所、充電場所の確保」は270自治体ある一方、「タブレットPCなどの機器の使用を前提とした、机の形状や教室の明るさ・広さについての検討」は28自治体にとどまった。

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