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教育方法とカリキュラム・マネジメント

22面記事

書評

教師のための教育学シリーズ(7)
教師のための教育学シリーズ編集委員会 監修
高橋 純 編著
社会に開かれた教育課程など解説

 優れた専門性と指導力を備えた教師として必要とされる学校教育に関する知識。それを、教育学の理論や知見に基づいて解説するのが“教師のための教育学シリーズ”(全12巻・分売可)である。その第7巻が本書。編著者(東京学芸大学准教授)は、教育工学・教育方法学の研究者で教育の情報化にも詳しい人。
 本書の第I部は、「教育の方法」であり、資質・能力の育成と教育方法、情報活用能力の育成が中心。続く第II部が「教育の技術」であり、ICTを活用した学習指導に注目。そして、第III部が「教育課程の意義」で、“社会に開かれた教育課程とは何か”はぜひ読んでおきたい。第IV部「教育課程の編成の方法」に話は進むが、教育課程とカリキュラムの概念を、知っておくことも大事ではないか。教科・領域の横断と教育内容についても、章立て(第11章)されている。教育内容の選択・配置が大切である。
 第V部が「カリキュラム・マネジメント」である。このことについては、校内研修も必要ではないか。続く第VI部が、「指導計画や学習指導案作成の実際」となる。“「実態」と「系統」をふまえた指導計画の実際”を、読み忘れてはなるまい。この教育学シリーズは、新学習指導要領改訂の柱の解説とともに、発展的・専門的、先導的な内容を取り上げることにも配慮している。職員図書の書架に並ぶといいのだが…。
(2530円 学文社)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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