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磐梯山で探究的な学びを 大地の恵みを生かした多彩なアクティビティで歓迎

10面記事

企画特集

会津磐梯山エリア ふくしま教育旅行

 新学習指導要領が目指す「主体的・対話的で深い学び」に向けて、修学旅行をはじめとする教育旅行を、子どもたちの能動的な学びを実現する機会として活用する学校が多くなっている。こうしたなか、いま注目されているスポットが、福島が誇る雄大な自然を背景に、1年を通じ多種多様なアクティビティを提供する「会津磐梯山エリア」だ。

子どもたちの「生きる力」を育む、ここでしかできない体験を
 日本百名山の一つである名峰磐梯山を中心に、猪苗代町、磐梯町、北塩原村の3町村にまたがる「会津磐梯山エリア」。磐梯山の南には日本で4番目の広さを誇る猪苗代湖があり、水上スポーツやフィッシングなどでにぎわう。また、ダイナミックな火口壁を見せる北側の麓は裏磐梯と呼ばれており、五色沼のほか、桧原湖、秋元湖、小野川湖、雄国沼など明治の大噴火によって作られた大小300を超すといわれる湖沼群が散在し、キャンプやトレッキング、冬場のワカサギ穴釣りなど自然体験のメッカになっている。
 しかも、豊富な源泉から湧き出す温泉はもちろん、標高が600m以上に位置するスキー場では、毎年11月下旬からゴールデンウィークまで、ロングスパンでスキーやスノーボードが楽しめる。
 「会津磐梯山エリア」では、そんな日本のジオパーク・磐梯山の地質や地形を生かした学び場を活用した教育旅行を積極的に受け入れている。「学べる磐梯山」をキャッチフレーズに、子どもたちの五感を刺激し、好奇心をゆさぶる、多彩なアクティビティ&参加・体験型プログラムを用意。加えて、学校教育活動における「探究的な学び」の高まりに応え、土地の人とのふれあいや暮らし、歴史学習、伝統文化を学べる機会を数多く提供している。
 感動・感謝・気づき。まさに、そこに行かなければ、そこで体験しなければ得られない感動と出会いを子どもたちに―。四季折々の自然の美しさ、厳しさ、楽しさを享受できる「磐梯山」が待っている。

自然体験

磐梯山登山
 磐梯山山頂の大パノラマは一生忘れない思い出に。
 八方台登山口は、初心者でも登りやすいルート。緩やかなブナの森から尾根づたいを歩き、山頂を目指す。仲間と助け合い、自分の足で辿り着いた山頂から見えるのは、麓の猪苗代湖や裏磐梯の湖沼群、遠く日光までも見渡す360度の大パノラマ。その達成感は、一生忘れられない思い出になるはず。

トレッキング(五色沼自然探勝路)
 磐梯山の噴火によって生まれた神秘の湖沼群をガイドと巡るツアーを用意(小学生以上)。エメラルドグリーン、コバルトブルーなど、沼によって、天気や角度によって色が変化する湖沼をトレッキング。森にはカンボクの実がなり、紅葉が色づき、アオゲラがコンコンと木を叩く風景から、自然の不思議や知識を吸収できる。

リバートレッキング
 川の流れを全身で感じる大冒険。小学3年生以上。
 川の水に全身浸かったり、ロープにつかまって斜面を下ったり、急流に逆らって小さな滝を越えたり。普段は感じられない流れの速さや水音の激しさ、水温約15度の冷たさをダイレクトに味わう。協力し合わなければ進めない場所やスリルを感じるシーンもあり、乗り越えた後はひと回り大きく成長する。カヌーやサイクルツーリング、パラグライダー体験など、アクティブな冒険も待っている。

食育体験

トマト収穫体験
 大地と人が育てた採れたてトマトを丸かじり!
 ハウスの中で背丈よりも大きく育った茎から、真っ赤なトマトがぶら下がる。秋のトマトは味が濃い、昼夜の温度差やきれいな水が美味しく育てる、農業が楽しいってことも、農家の方が優しく教えてくれる。大地が育てる命を頂いていることを実感できるアクティビティだ。りんごやブルーベリーの収穫体験も楽しい。

そば打ち体験
 畑で生まれた「蕎麦」を、自分で打って食べる。
 まちの畑で生まれた「蕎麦」を、自分で麺にして食べてみよう。
 新そばの季節、猪苗代町で、そば粉から「こね」「のし」「切り」により麺にするまでをまるごと体験。先生に指導を受けると、意外と簡単。そして、格別においしい。おそば屋さんで食べるのと違う、地域独特の食文化を体感できる。

郷土文化体験

本物の材料で、ものづくりを体験。

蒔絵・沈金体験
 本物の漆を使った伝統的な塗料で食器に絵を描く。漆はトロリと粘りがあり、丸みのある食器に絵付けをするには集中力が必要。仕上げに金粉・銀粉を撒くと、器の雰囲気がガラリと変わる。ガラスの膜をまとったような漆の器は、美しくてとても丈夫だ。

体験しながら学べる「野口英世記念館」

郷土の歴史から学ぶ
 猪苗代町出身で黄熱病の研究で知られる細菌学者・野口英世の記念館では、研究室を舞台にした細菌研究ゲームなどもあり、楽しみながら細菌の世界を体験できる。
 また、海に面していないこの地で、かつて温泉を利用した製塩が行われていた。平成17年に「特産品として塩を復活させたい」との声が上がり、2年の歳月をかけて北塩原村で復活した「会津山塩」から、会津地方の歴史を紐解くことができる。

アクセス良好な学びのスポット~福島ならではのホープツーリズムも~
 「会津磐梯山エリア」からひと足のばせば、先人が創り上げた歴史文化を学べる会津若松市や、蔵とラーメンのまち・喜多方市など、まちなかをめぐりながら学べるスポットが充実。さらには、東日本大震災後のふくしまの歩みや、放射線や環境問題を身近な視点から理解できる「福島県環境創造センター交流棟『コミュタン福島』」など、ふくしまでしか体験できない、命の尊さや環境への理解を深める学びの場も。

「会津磐梯山エリア」は宿泊施設も充実

 「会津磐梯山エリア」は四季を通じたリゾート地として、バリエーション豊かな宿泊施設が揃っている。地域の人とのふれあいが学びにつながるアットホームな民宿やペンション、コテージ、貸切対応が可能な旅館や大人数に対応できるリゾートホテルなど教育旅行のさまざまなニーズにあわせた宿泊施設を選べるのが魅力だ。

福島県 会津地方振興局
 〒965―8501 福島県会津若松市追手町7―5
 Tel 0242―29―5214
 FAX 0242―29―5228
 https://manaberu-bandaisan.jp/

お問い合せ
 裏磐梯観光協会 Tel0241―32―2349
 磐梯町観光協会 Tel0242―74―1214
 猪苗代観光協会 Tel0242―62―2048

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