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人生100年時代を生き抜く子を育てる! 個別最適化の教育

13面記事

書評

西川 純 著
学校ですぐに取り組める内容も提言

 “この学びが未来をつくる!”“人生100年時代を生き抜く子を育てる!”と副題が二つ付く本書。文科省、経産省は、それぞれ2018(平成30)年6月に、“Society5・0”の政策として、「学びの『個別最適化』」を提言した。“Society5・0”の説明は、15ページ参照。これから人生100年時代に突入し、AIと共存、あらゆる情報が瞬時に入り人間の仕事の価値が問われる時代に、幸せに生き抜く子どもを育てることは、教育の大きな課題である。

 この本は、5章で構成されている。

 (1)いま求められている個別最適化された教育!
 (2)今日から学校現場で可能な個別最適化の教育!
 (3)こうすれば実現できる個別最適化の学び
 (4)現行の法令のもとでも個別最適化の教育は可能だ
 (5)個別最適化を実現する未来

 ―が、その五つの章立て。文科省の「Society5・0に向けた人材育成―社会が変わる、学びが変わる」では、“公正に個別最適化された学び”と示していることにも注目したい。
 本書の“個別最適化の教育”は、“一人ひとりを生かす”従来の授業とは異なるようだ。それを説く著者(上越教育大学教職大学院教授)は、臨床教育学を研究する人。それだけに、いまとこれからの学校(教室)の状況に詳しい。また、そうであるだけに、提言には納得できることが幾つもある。巻末の「理想の学校とは」は、ぜひ読もう。
(1760円 学陽書房)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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