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1人1台端末、本年度に前倒し、家庭の通信整備を支援

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 新型コロナウイルスによる臨時休校が長引く中、文科省は情報端末を活用して子どもたちの学習を保証しようと、これまで2023(令和5)年度までとしていた1人1台のパソコン端末の整備を前倒しし、本年度中に実現を目指すと発表した。政府の緊急経済対策に1951億円を盛り込んだ。通信環境のない家庭にはモバイルルーターを貸与することも決めた。
 政府が7日に閣議決定した緊急経済対策で、文科省の予算総額は2763億円。そのうちICT環境整備が2292億円を占めた。
 これまでの整備計画では、本年度小学5、6年と中学1年に優先的に整備する予定だった。ただ、長引く休校で学習の遅れが不安視されていることから、大幅な前倒しを決めた。メーカー側の端末供給が間に合わない場合でも、年度をまたいで予算を執行できるようにする方針だ。
 家庭へのモバイルルーターの整備については、国公私立の全ての小・中学校と特別支援学校の児童・生徒を対象に、自治体を通じて学校から貸与する。所得制限などの一定の基準を設けた上で、自宅に通信環境のない子どもでもインターネットによる学習を利用できるようにする。通信料は自治体に負担を求める方向だが、当面の負担は通信事業者にも協力を要請するという。補正予算にはモバイルルーターの費用として147億円を盛り込んだ。
 家庭で遠隔学習を受けられるように通信装置の整備も支援する。学校側で使用するカメラやマイクの費用として6億円を計上。3万5千円を上限に国が2分の1を負担する。
 緊急経済対策には学校再開に向けた支援も盛り込んだ。全国の全ての学校に、接触不要の体温計など保健衛生用品の購入を補助する。特別支援学校のスクールバスで感染リスクを抑えるため、1台あたりの子どもの数を減らすよう支援する。
 また、本年度の修学旅行の中止や延期により発生したキャンセル料について、保護者の経済的な負担を減らすため、自治体に対して一定額の支援も行うことも盛り込んだ。
 学校再開のための支援は、緊急事態宣言の対象となった7都府県の学校を優先的に行う考えだ。

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