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高校授業料、免除を 保護者対象民間調査、6割以上で減収に 新型コロナ禍

2面記事

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 子どもの貧困対策などに取り組む特定非営利活動法人の「キッズドア」(東京・中央区)は高校生の保護者に休校期間に関する家庭の生活状況などを尋ね、調査の結果から、保護者の6割以上が世帯の収入が減っているなどと回答していたことが分かった。授業料の免除・無償化を求める声が上がっている。
 調査は3月29日から4月5日にかけてオンラインで実施。高校生・高専生の保護者110人を対象に、臨時休業期間中の子どもたちの様子や不安を感じる事柄、家庭の収入への影響などを尋ねた。
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響による家庭の収入の変化を尋ねると、21%の保護者が「収入がすでに減っている」と回答した。「今後、確実に収入が減る」は13%、「今は大丈夫だが、今後、減ると思う」は32%と、全体の66%の保護者が収入の変化を感じていることが分かった。
 保護者が子どもに対して不安を感じていることを複数回答で尋ねると「運動不足で不健康になるのでは」(62人)、「勉強が遅れてしまう、学力が下がる」(58人)を挙げる保護者が多かった。
 「経済的な理由で大学や専門学校に進学させられないのでは」(20人)、「塾や予備校を続けられなくなるかも」(9人)といった経済的な理由から感じる不安についても挙がっていた。
 この他、子どもが学習面で困っていることを複数回答で尋ねると「家で勉強する気がおきない」(69人)、「勉強が苦手なので、学校がないと勉強するのが難しい」(36人)、「家にパソコンやネット環境がないので、WEB学習などができない」(6人)といった回答が挙がった。
 同法人に寄せられた意見では、「3食毎日毎日用意して、食費がかさむ。宅配を頼みたくても値段が高い」「学費がもったいない」「学校一斉でオンライン授業とかがあれば、決まった時間に机に座るなど強制力が発生すると思うが、自発的にやらせることは困難」などがあった。授業料の免除・無償化を求める声も複数あった。
 この調査結果はホームページで公開している。同法人では、「高校生への支援を考える一助になれば幸い」としている。

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