日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

支援学校教員がHP作成 休業中に役立つ情報発信

3面記事

特別支援・保健

 新型コロナウイルスの感染拡大により長期化する学校休業を受け、大阪府立西浦支援学校中学部に勤務する樋井一宏教諭は、自身が作成したプリント教材やオンライン授業に役立つ関連サイトなどをまとめたホームページの運営を始めた。お金の計算や手洗いについて子どもに分かりやすく教えるスライドなど、提供を受けた資料を含め多数の教材を紹介している。
 大阪府では3月上旬から休業が始まっている。感染拡大の懸念から生徒の自宅を訪問することなどが難しい中、樋井さんは子どもたちへ十分な学習環境を用意してあげたいとして、未経験だったホームページの開設に向け準備を始め現在に至る。
 ホームページに掲載されている教材は基本的に無料でダウンロードできる。樋井さんが作成してきたプリント教材をはじめ、写真やイラストを添えて短い文章を書くスライド形式の絵日記の教材や、これまで同僚と製作してきたオンライン教材や実践報告のスライドなどを複数用意している。また自宅で簡単に取り組める運動や、休業期間中に役に立つ情報を扱うサイトの紹介も行うなど、多岐にわたった情報発信を続ける。
 周囲へ情報提供を呼び掛けながら、更新を続けていくという。4月下旬時点のホームページへのアクセス数は約1300件を超えた。立ち上げにかかった費用は、ホームページの管理などにかかるレンタルサーバー代やドメイン料などを含め約1万5千円。
 これを受け樋井さんは「サイトを通じて、これまで出会うことのできなかった全国の子どもたちの力にもなれたかもしれない。同僚やサイトを訪れてくれた人の協力に、感謝の気持ちでいっぱい」。今後は教職員同士の交流の場としてもサイトを充実していきたいとし「悩みや新たな気付きを得られる場として、役に立てたらいい」と話した。
 樋井さんは教員になり10年目。昨年行われた一般社団法人日本教育情報化振興会主催のICT活用実践を報告する「ICT夢コンテスト」では優良賞を受賞している他、同校ホームページでも複数の動画教材などを確認することができる。樋井さんのホームページ「ダッシュニンの特別支援教材室」はhttps://dashnin-kyouzaiko.com/。情報提供や質問、教材を使用した感想などは、随時問い合わせから受け付け中。

特別支援・保健

連載