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保育者のための外国人保護者支援の本

17面記事

書評

咲間 まり子 監修
現場経験に基づくノウハウ満載

 本書で知ったことだが、わが国は世界で4番目の移民大国であるという。しかも6歳以下の幼児は15万人を超えている。過日の日刊新聞によれば、文科省の有識者会議が教委に外国籍の子どもの学齢簿を作成し就学案内を配布するよう求める報告書をまとめたという。
 そんな状況の中で、本書の発行は文字通り干天の慈雨に当たろう。保育所や幼稚園等、就学前の教育・保育活動を担当する保育者にとって、必須ともいえる内容が網羅されているのだ。本書の帯紙には「知っておきたい考え方とノウハウが詰まった応援の書」とあるが、その通り! と評価できる。
 まず、知っておきたい考え方だ。多様な母国語の存在、多文化理解のことなどについて専門家の解説とアドバイスが示される(2・4章中心)。加えて、園の方針や考え方を理解してもらうための発信についても具体的に説明される(5章)。必読のページだ。
 保育のノウハウについても同様である。実際に実践してきた保育園・幼稚園の担当者が執筆し解説している(3章)。
 本書の特徴は構成にも見られる。解説の仕方をそれぞれの執筆者に任せているのだろう。グラフ、図示、イラスト、囲み記事、写真等を自由に駆使し、いわば一番分かりやすいやり方で示される。ゆったりとした構成も分かりやすさを後押ししているようだ。
(2200円 かもがわ出版)
(八木 雅之・元公立小学校校長)

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