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修得主義の重視を 経団連が初等・中等教育改革へ第1次提言

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 日本経済団体連合会は、新型コロナウイルスの教育への影響を踏まえ、オンラインと対面を組み合わせた新しい教育様式を確立するため、初等中等教育で短期的に求められる教育改革の取り組みを第1次提言として取りまとめた。ICT環境の整備に加え、修得主義を重視した教育の推進や教員養成課程の見直しなどを盛り込んだ。
 8月3日には、教育・大学改革推進委員会委員長の渡邉光一郎氏と小路明善氏が同提言を萩生田光一文科相へ提出した。
 全国一斉の臨時休業時に公立学校でオンラインでの教育が十分に実施できなかった現状を受け、「GIGAスクール構想」による児童・生徒への1人1台端末の配備や学校の通信環境の整備などをできる限り前倒しするよう求めた。併せて、同構想により配備された端末は、児童・生徒が持ち帰って家庭学習に使用できる取り扱いとすべきとした。
 本年度以降に順次実施される新学習指導要領の下、学校現場での課題も指摘した。児童・生徒が基礎学力を身に付けないまま小・中学校を卒業して将来の就職や仕事で苦労することを考慮し、一定年限、所定の教育課程を履修すればよいとする「履修主義」から、目標に対して一定の成果を上げることを求める「修得主義」の考えを重視した教育を進めることが重要とした。
 また、新しい教育様式に対応できる教員の養成についても言及した。教職課程でICT活用を含む指導法を必修化すること、教員免許の更新時にICTリテラシーを確認することなどを挙げている。
 経団連は3月にも教育にICTを活用する提言を発表。大学のトップと構成する「産学協議会」も同月末に報告書を公表し、Society5・0に求められる課題発見・解決能力などは、高等教育ではなく初等中等教育段階から取り組む必要性を示した。

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