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授業づくりの深め方 「よい授業」をデザインするための5つのツボ

18面記事

書評

石井 英真 著
ベテランこそ読んでほしい一冊

 書名を見ただけで、若い教師向けの本かなどと思わないでいただきたい。この本は、教職の年輪を重ねたベテラン層に読んでもらいたい一冊。もちろん、若手教師にも薦めたい本だ。
 約400ページの大冊は、III部9章構成。
 まず「授業の本質とロマンの追求」第I部で、「授業づくりのフレームと5つのツボ」が第1章。「未来社会をよりよく生きるための新しい学力と学びの形」が第2章。
 続く第II部で「よい授業をデザインする5つのツボ」を五つの章で解明する。
 それは(1)「『目的・目標』を明確化する」(2)「『教材・学習課題』をデザインする」ことがまず挙げられる。続けて、(3)「『学習の流れと場の構造』を組織化する」(4)「『技とテクノロジー』で巧みに働きかける」(5)「『評価』を指導や学習に生かす」―ことである。この部が、本書の中心と読めそうだ。
 続く第III部は「5つのツボを生かして授業づくりを深める」となって、「『教科する』授業を創る手立て」と「授業の構想力を磨く校内研修のデザイン」の二つの章。巻末には、授業づくりのブックガイドがあり、まことに貴重で便利。
 著者は京都大学大学院教育学研究科准教授・博士(教育学)の研究者。
(3080円 ミネルヴァ書房)
(飯田 稔・千葉経済大学短期大学部名誉教授)

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