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日本人学校の教員採用の仕組みと任期満了後の進路

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特集 教員の知恵袋

 平成29年8月に文部科学省が立ち上げた「トビタテ!教員プロジェクト」では、日本人学校での教育実習を可能にする制度の創設が予定されています。日本人学校への教師派遣は既に行われていますが、教育実習が可能になるという点で注目です。

 現在教員を目指す方や現職教員のなかには、日本人学校への派遣制度について詳しく知らないという方も多いのではないでしょうか。今回は海外にある日本人学校の採用条件や教員派遣制度について解説します。

海外に設置される日本人学校とは

 海外に在留する日本人の子どものために設置された教育施設のことを「在外教育施設」と言います。この在外教育施設のなかに日本人学校が含まれており、「国内の小学校、中学校または高等学校における教育と同等の教育を行うことを目的とする、全日制の教育施設」と定義付けしています。

 平成27年4月15日時点では日本人学校は世界に89校あり、約2万人の児童・生徒が在籍しています。学校の規模によっては小学部と中学部で分かれていますが、ほとんどが小中学部一貫校です。また、上海には唯一の高等学校が存在します。

日本人学校の教員になるには

 教員を目指す学生や現職教員として日本国内の学校に勤務する方のなかには、将来日本人学校で働くことを視野に入れている方も多いのではないでしょうか。

 文部科学省の教員派遣制度で日本人学校に務める場合、任期は原則2年、特段の支障がない限りは少なくとも3年間は働けます。

 また、評価次第では最長4年勤務することも可能です。小規模校の場合、派遣教員の数が少ないことから複式学級や免許外の教科を担当するといったケースもあります。

日本人学校の求人募集に応募する方法

 日本人学校の教員になる応募する方法は大きく2つに分けられます。一つ目は文部科学省の派遣教員になる方法、二つ目は海外子女教育振興財団の学校採用教員に応募する方法です。

教員としての経験が必要な「文部科学省教員派遣制度」

 文部科学省は、毎年都道府県の教育委員会教育長や都道府県知事など公立・私立学校の所属機関の長に在外教育施設へ派遣する教員の推薦を依頼しています。各所属期間の長によって推薦された者が健康診断や即派遣の可否などを含め、文部科学省による書類審査ならびに面接を受け、内定者が決定するという流れです。

 内定者として決まった者は配偶者研修会・内定者研修会・管理職研修会などの研修を受け、その後正式に派遣教員としての内定が決定します。

教員免許取得見込でも応募可能な「海外子女教育振興財団 学校採用教員」

 教員としての経験がない方や教員免許取得見込みの学生の方で日本人学校の教員として務めたいという方は、海外子女教育振興財団(JOES)の「日本人学校等学校採用教員」であれば応募できます。

 文部科学省の教員派遣制度と異なり、学校の運営委員会等と直接雇用契約を結ぶのが特徴。職務に関しては文部科学省の派遣教員とほぼ同じです。

 JOESの日本人学校採用教員は応募先の学校を1校決められる第1期募集と赴任先の学校を選べない第2期募集があり、2回の応募が可能です。第2期の募集では第1期で応募者が採用予定者定員の3倍に満たない学校が対象です。

任期満了後の進路

 日本人学校で任期を満了した後の進路は人によってさまざまですが、多くの教員は教員採用試験を受験します。以前のように公立学校で働いたり、新たに日本人学校の求人に応募したり、任期を延長するといった進路を選択しています。

 また、文部科学省の「トビタテ!教員プロジェクト」の制度を利用して派遣教員としての任期を終えた人は面接選考試験官や研修講師、巡回指導員といった進路につなげることも可能です。文部科学省では、今後の若手教員の育成や帰国教師の活用促進に向けたネットワーク構築、帰国教師フォーラムの開催や関連セミナーの開設も検討しています。

期待が高まるグローバル教員の育成

 日本人学校の教員になるには、教員経験や教員免許状の有無などの条件に合わせ、文部科学省の教員派遣制度もしくは海外子女教育振興財団の求人へ応募します。

 現在教員として努めている方であれば、管理職や周りの先生に話したり、募集情報を集めたり、日頃から海外に行きたいという意思表示しておくことも大切です。日本人学校での指導経験が日本の学校教育にどう生かされるのか、帰国した教員の活躍促進を含め、今後ますます教員のグローバル化への期待が高まります。

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