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体育館のエアコン設置率は 本社調査「学校施設・設備整備の課題に関する調査」まとめ

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 回答した9割近くの自治体が全ての学校の体育館にエアコンを設置しておらず、8割の自治体は今後も設置する予定はない。設置できない理由の多くは予算確保の難しさで、大型扇風機やスポットクーラーで対応している現状がある。日本教育新聞社が実施した「学校施設・設備整備の課題に関する調査」からは、そうしたことが分かった。本年度の調査結果を詳しく紹介する。

 近年、全国的に災害といえるほどの猛暑に見舞われることが増えている。適切な学習環境の確保や避難所となった際の熱中症対策のため、教室だけでなく体育館へのエアコン設置を進めることが求められている。各自治体には、管理する市町村立学校の体育館のエアコン設置状況について聞いた。
 最多となった回答が「全ての学校の体育館にエアコンを設置していない」で、全体の89・3%となる411自治体に達した。「一部の学校の体育館にエアコンを設置している」は31自治体(全体の6・7%)、「全ての学校の体育館にエアコンを設置している」は18自治体(同3・9%)にとどまった。
 管理する市町村立学校の体育館へのエアコン設置計画についても尋ねた。設置状況と同様に「いずれの学校の体育館にもエアコンを設置する予定はない」が379自治体(同82・4%)で最も多く、「全ての学校の体育館にエアコンを設置する予定」は30自治体(同6・5%)、「一部の学校の体育館にのみエアコンを設置する予定」は20自治体(同4・3%)だった。
 「いずれの学校の体育館にもエアコンを設置する予定はない」「一部の学校の体育館にのみエアコンを設置する予定」と答えた自治体には、体育館にエアコンを設置する予定がない学校がある理由も複数回答で聞いている。
 回答は「全ての学校の体育館にエアコンを設置する予算を確保することが難しい」が305自治体(該当自治体の76・4%)で圧倒的多数となり、「大型扇風機またはスポットクーラーで代用している」が97自治体(該当自治体の24・3%)、「換気を十分にすることができ、館内の気温上昇を抑えることができている」が56自治体(該当自治体の14・0%)で続いた。
 「夏季の気温が高くなく、エアコンがなくても適切な環境を確保できる」も31自治体(該当自治体の7・8%)あり、教室へのエアコン導入と同様、地域差が大きいことも伺えた。

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