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冬季の乾燥対策に、全教室に加湿器を導入

10面記事

施設特集

教室に設置されたてんまい加湿器

東京都江戸川区立葛西小学校・葛西中学校

 密閉性の高い学校施設は、夏場でもエアコンなどによって低湿度になりがち。特に、これからの冬季は室内の乾燥がより一層進み、のどの粘膜の防御機能が低下することで感染症リスクが高まるため、加湿によって適切な室内湿度を保つことが必要だ。こうしたなか、新校舎を竣工し、昨年4月に開校した江戸川区立葛西小学校・葛西中学校では、すべての教室に加湿器を整備して快適な室内環境を確保している。そこで、使用開始から1年が経過した率直な感想を、内野 雅晶統括校長に聞いた。

究極の小・中連携校を目指して開校
 区内初の併設型小・中学校となる同校は、全教員が異学校種の兼務発令を受けているため、さまざまな相互乗り入れによる教育活動が行われている。「小・中が1つの校舎に入ることで、授業に限らず、普段の日常生活から教員と子どもたちの交流や関り方が格段に増える。それらの利点を生かし、究極の小・中連携校になることがコンセプトになっています」と話す。
 校舎も教育方法の多様化に対応し、最新の知見を取り入れた環境を整備する中で、普通教室をはじめ、特別教室、職員室等の空調機器とともに整備されたのが、ウエットマスター(株)の滴下浸透気化式「てんまい加湿器」だ。その特長は、空調機の冷暖運転や風量変動に左右されず、教室全体をムラなく確実に加湿できること。しかも天井埋め込み式で美観を損なわないことから、学校施設への導入が増えている。

教室の状態を見ながら臨機応変に活用 アトピー性皮膚炎やドライアイにも
 これまでの使用状況を聞くと「冬場の感染症を予防する乾燥対策が中心になりますが、個人的にはアトピー性皮膚炎など保湿が必要な子どもにとっても有効だったと思います」と振り返る。また、リモコンスイッチでの操作もON・OFFと強・弱のみと簡単なので、教員が教室の状態を見ながら臨機応変に活用していると様子を語る。
 その上で、「私自身、朝出勤してスイッチを入れておくと空気がマイルドに感じますし、かといって結露もしないなど絶妙なバランスがいいなと思っています。そういえば、いつも冬の時期はドライアイになりがちだったのですが、気にならなかったですね」と感想をもらす。
 また、運転終了後に加湿器内の加湿材を乾燥させるための乾燥運転モードも搭載されており、カビや臭気などを防いでくれるので安心して使えるという。

意識せずに使えるのがいいところ
 さらに、加湿するときに蒸気が見えたり、音がうるさかったりということがないことを長所に挙げ、「何より意識せずに使えるのがいいところ」と続ける。本加湿器は強運転で40dB、ファン弱で23dBと静音性が高いのも特長で、学習の妨げにならないことも学校にとっては大切な要素だ。
 「これから冬に向かっては、インフルエンザはもちろん、新型コロナの予防としても教室の加湿には気を配っていきたい」と内野統括校長。その意味で、「欲をいえば、湿度表示があると便利。湿度に気をつけていると、季節や環境によって意外と変化があることが分かります。今は学校でも熱中症予防として暑さ指数を取り入れていますから、湿度が分かると子どもへの意識づけも高まると思います」と今後のさらなる工夫に期待した。


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