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貧困・障がい・国籍 教育のインクルーシブ化に学校はどう備えるか

14面記事

書評

共生社会の学校づくり研究会 編
礒田 勝・大多和 雅絵・川崎 雅和・東郷 伸也・水口 真弓 著
今日的課題に向き合う学校を提起

 学校を取り巻く環境の変化により、今日的課題が顕在化している。経済的な「貧困」に陥っている家庭の子どもへの支援、発達障害を含めさまざまな「障がい」のある子どもへの寄り添い方、多様な「国籍」を持つ子どもの学習保障である。本書は変化を真正面から受け止め、今年2月に開催した日本教育事務学会関東地区研究集会の各基調報告を基に編んだ。
 執筆代表者(川崎氏)による第1章「共生社会における学びのあり方を追究する」は、今日的課題に対応する指針ともいうべき考え方を示した。そして、事務職員(水口氏)と教員(東郷氏)とが協働した中学校での就学援助の実践を「経済的困難を抱えた子どもの就学支援と学習支援」(第2章)として提示し、市立特別支援学校の事務職員(礒田氏)の勤務経験などを基に「障がいのある子どもの学びの保障とインクルーシブ教育」(第3章)を提起する。
 本欄でも紹介した「戦後夜間中学校の歴史」の著者で、「夜間学級」を開設する中学校での勤務経験のある事務職員(大多和氏)が「日本で暮らす人々の学ぶ権利の保障と夜間中学校」(第4章)で、その課題とこれからの方向に触れた。
 タイトルには「学校はどう備えるか」とある。事務職員発の問題提起ではあるが、「インクルーシブ化」をキーワードに関連行政部署も視野に入れ、学校、子どもに関わる人々の総力を結集して解決する思いとして受け止めたい。
(1980円 学事出版)
(矢)

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