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やってみよう!小学校はじめてのオンライン授業

12面記事

書評

樋口 万太郎・堀田 龍也 編著
5タイプの24実践事例を紹介

 ICTを活用した学習環境の整備が進む中、各地の学校で、オンライン授業の取り組みが始まっている。
 本書は、初めてオンライン授業を行う先生のために、参考になる実践事例を集めた貴重な書である。
 第1章では、「いまこそオンライン授業をはじめるときだ!」と題し、編著者が、オンライン授業の主な形、身に付く力、課題等を分かりやすく解説している。
 第2章では、「子どもとのつながりをつくる、子どもと楽しむことを共有する、既存のコンテンツを使った課題を出す、メッセージをやりとりする、ビデオ会議ツールによる双方向の授業」の五つのタイプ別に、総計24の先達の実践が紹介されている。「実体験をベースにした理科授業」等、興味深い内容ばかりだ。
 編著者は、「それぞれの学校の実態、子どもたちの発達段階に応じて、適したタイプから始めることが大切」と提案している。まさにその通りだと思う。子どもたちのために、できることから実践したい。
 巻末の座談会は、家庭との連携等、オンライン環境をつくる上で参考になる。
 本書は第1弾である。経験も準備もなかったところから始めて成果を生んだ学校の実践が多く掲載された第2弾も刊行されている。併せて読むと一層効果的である。
(1870円 学陽書房)
(谷 智子・高知市教育委員会委員)

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