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子どものココロが見える ユーモア詩の世界

16面記事

書評

親・保育者・教師のための子ども理解ガイド
増田 修治 著
健やかに育てる秘訣も紹介

 「そうそう、こんなことあったなあ」と、はるか昔の子ども時代に思いをはせながら本書を味わった。
 本書は子どもたちのユーモア詩を数多く掲載。ユーモア詩は、子どもはこうあるべきといった思い込みを打ち破ってくれるもの。
 ユーモアあふれる子どもたちの詩と併せて、担任だった著者が、詩が生まれた背景や、どのように詩を受け止めているか解説。著者の「子どもとつながるには子どもの感覚に近づく必要がある。子どもは優れた観察者」に納得。子どもは笑って人とつながりたいのだ。もちろん大人も。
 著者の子どもを見つめるまなざしはどこまでも温かい。「自己肯定感はマイナスも含めて『あなたのままでいい』と丸ごと認めてあげること」の言葉にも表れている。本書には、「子どもを健やかに育てる秘訣」も掲載されている。教育関係者のみならず保護者の皆さんにも推薦したい。
 子どもの成長で大人も成長するのだ。掲載された詩の言葉「子どもがいなかったら、地球はつまらない土くれです」にも共感。ユーモア詩には、仲良し親子やユーモラスな兄弟が登場。家族との触れ合いがあふれている。家で過ごす時間が増えている今、ユーモアに満ちた笑顔の絶えない世界で伸び伸びと子どもたちを育んでいきたい。本書は子ども賛歌だ。改めて「子どもっていいな」と思える一冊。
(1980円 ぎょうせい)
(藤本 鈴香・京都市総合教育センター指導室研修主事)

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