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ニーズの高まる「幼保連携型認定こども園」通信教育で幼稚園教諭、保育士両方の資格を

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2024年度までに免許の取得が必要
 2012年の認定こども園法の改正により、学校及び児童福祉施設としての法的位置付けを持つ単一の施設として、新たに「幼保連携型認定こども園」が新たに創設された。保育園と幼稚園の機能を併せ持った新しいタイプの施設であるため、その職員である「保育教諭」については「幼稚園教諭免許状」と「保育士資格」の両方の免許・資格を持つことを原則としている。
 ただし、「幼保連携型認定こども園」への円滑な移行を進めるため、改正認定こども園法では、法律の施行後5年間(現在は10年間・2024年度末に延長)は、幼稚園教諭免許状または保育士資格のいずれかを有していれば、保育教諭等となることができる経過措置を設けている。したがって、この期間に所有していないもう一方の免許・資格を取得する必要がある。
 経過措置期間経過後は、幼稚園教諭免許状が有効な状態であり、かつ保育士資格を有していないと、経過措置期間中に保育教諭等となった者はその職を失う。文部科学省の2019年の調査結果によれば、免許状を失効した教員の校種では認定こども園が200人を超えており、最も多かった。
 なお、幼稚園教諭、保育士として3年かつ4320時間以上の勤務経験者には、8単位を取得すれば、所持していない免許状が取れるように特例が設けられている。大学通信教育では、こうした単位取得についても受け入れており、幼稚園教諭、保育士が受講するケースが増えている。

小学校へのスムーズな接続を図るため、「養護」と「教育」両方のスキルを備える
 「幼保連携型認定こども園」は、就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能と、地域において子育てを支援する機能という、2つのメリットを兼ね備えた施設としてニーズが高まっている。それは、内閣府の2019年4月1日時点の調査でも明らかで、公立・私立を合わせた「幼保連携型認定こども園」の施設数は、前年度の4409園から5137園と増加しており、幼稚園や認可保育所からの移行が進んでいることがわかる。
 しかし、早期離職者の増加や離職率が高止まりしている中で、人材確保が厳しい状況となっているのも事実だ。このため、文部科学省では人材確保・キャリアアップ支援事業にも力を入れている。
 社会の変化に柔軟に応じ、子どもの成長に合わせて小学校へのスムーズな接続を図る上でも「幼保連携型認定こども園」が果たす役割は極めて大きいものと思われる。それだけに、職員には「養護」と「教育」双方の知識やスキルを備えることが不可欠だ。まだ、両方の免許状を持っていない方には、ぜひ、働きながら学べる大学通信教育を活用することをお勧めしたい。

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