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コロナ禍の学校語る 日本教職員組合が教研集会

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 日本教職員組合は1月23日、第70次教育研究全国集会をオンラインで開催した。
 例年分科会を設け、3日間の日程で行われていたが、今年は記念講演とシンポジウムのみ開かれた。
 清水秀行・中央執行委員長はあいさつの中で「学校では『新しい生活様式』の下、子どもが我慢を強いられ、心身のストレスや将来への不安を抱えている。地域や保護者とも連携しながら、失われた学びに代わる取り組みを工夫し、実践していくことが必要だ」と呼び掛けた=写真、日教組提供。
 シンポジウムでは、新型コロナウイルスの学校生活への影響について、生徒や教員らがオンラインで報告した。
 東京都の中学2年の女子生徒は、休校期間に学校が配信した動画で勉強した。「分からないところを何度も戻って見られたのが良かった」と休校による学習への影響は少なかったと話した。
 高校2年の男子生徒は休校中、クラスの友人とオンラインで会話をしていたが、コミュニケーションを取るのに苦労した。「相手の感情を読み取るのが難しかった。自分の意図とは違って受け取られることもあるので、注意しなければいけないと学んだ」
 教員からは、コロナ禍の下での学校づくりが話題になった。
 兵庫県内の小学校教諭は「行事ロス」への心のケアについて報告した。教職員の連携を強め開催した運動会や自然学校の代替行事について説明した。
 北海道の中学校教諭は、学校再開後の授業の進みが早く、「9月末には通常授業の進度に戻っていた」と振り返り、学習の定着への不安を口にした。
 日教組は集会後、「すべての子どもたちのゆたかな学びを保障するインクルーシブな学校づくりを」と題するアピール文をまとめ、公表した。

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