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通級指導で不登校や精神疾患などの「二次障害」防ぐ 特総研がリーフレット

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特別支援・保健

 発達障害のある子どもに関わる教員に向けて、国立特別支援教育総合研究所(特総研)が、不登校や精神疾患といった「二次障害」を防ぐための指導についてまとめたリーフレット=写真=を作成した。小・中学生や高校生の事例を挙げ、通級による指導や自立活動に焦点を当てて、適切な指導や支援のポイントを解説する。6日からウェブサイトで公開している。
 学校や地域で適切な指導や必要な支援が受けられず、情緒不安定、不登校、引きこもり、精神疾患などの「二次的な障害」により厳しい状況に置かれている子どもに関し、特総研は「二次的な障害は、周囲の正しい理解や適切な関わりによって防ぐことも、低減することもできます」と呼び掛ける。
 リーフレットには、子どものつぶやきを含め、実際の指導場面を載せた。例えば、勝ち負けや順番へのこだわりが強く、友人関係でうまくいかないことが多い小学生では、本人の「~したい」という気持ちに対して「周りを困らせる行動ばかりする」との誤解が積み重なると、本人を苦しめてしまうと指摘する。
 通級指導のポイントとして、自分の気持ちを伝えて理解してもらう経験を積み、対人関係のルールを学ぶ方法を示した。
 他にも、友達の発言の真意や文脈を捉えることが難しく過剰に反応してしまう中学生、他人からの親切を自分に対する特別な好意と捉えてしまうことがある高校生の事例を掲載している。
 リーフレットは、令和元年度から同2年度の研究を踏まえて作った。通級指導の内容を学校種と児童・生徒の困難さの観点から六つに整理した研究成果に加え、指導で重要になる「学びへのアクセス」「自己理解」「信頼感」という三つの視点も図表で示している。

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