日本最大の教育専門全国紙・日本教育新聞がお届けする教育ニュースサイトです。

スマホで弁当予約注文 高校生向け新サービス

2面記事

企業

福岡市の企業

 高校生が学校で食べる弁当について、スマートフォンで予約注文できるサービスを福岡市のベンチャー企業「ペコフリー」が始めた。学校給食がない全日制高校などの生徒に対し、栄養バランスの偏りを解消する狙いがある。12日からは、同市内にある福岡雙葉中学校・高校で利用を開始した。
 「お腹を空かせた(ペコペコ)学生へ自由(フリー)な食事を!」をスローガンに同社が提供するのは、「スマホで選べる学校給食」と称した新サービス「ペコフリー」。年内に同市内で10校、5年後には全国200校への導入を目指す。
 生徒は無料通信アプリのLINEで公式アカウントを友だち登録し、学校から配布されるログインコードを入力して利用する。栄養士が監修した献立3~4種類の中から前日までに注文すると、学校に設置した専用ボックスに製造工場から弁当が配送される仕組みだ。
 1食当たり450円で、保護者がチャージしたポイントで支払う。追加料金でご飯を大盛りにできる。有料で割り箸が付く。
 新サービスは、高校生の昼食と給食・弁当業界を巡る課題を解決するために生まれた。
 同社によると、国内の高校生約300万人のうち、学校内の食堂や購買部の利用者は1割程度で、残りの9割は家庭から弁当を持参したり、市販の食品を購入したりしている。ただ、おにぎりやパン一つで済ませるなど、「高校生の昼食難民問題」があるという。
 同社の川浪達雄代表取締役は、福岡を拠点に給食や弁当の製造・販売などを手掛ける「はたなか」の取締役を兼務する。はたなかが運営する工場では、

 ・低価格での提供のため収益化が困難
 ・年間稼働率が少ない
 ・見込み調理をするため食品・残食ロスが発生する

 ―などの課題があるという。
 ペコフリーとはたなかが業務提携し、高校生によるスマホでの予約注文、弁当の調理と学校への配送をそれぞれ担う。今後、全国の給食や弁当、学生食堂の各事業者との提携も進める予定。

企業

連載