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いまさら聞けない!日本の教育制度

16面記事

書評

樋口 修資 著
職員室で議論する際の材料に

 教員養成系大学で配布されているコミュニティー誌(「EDUPONT」)の連載企画を基に、15の疑問に答える形態で教育制度の基本を図入りで解説した。
 本年度から小学校は1学級の児童数の上限が40人から35人へと引き下げられていく。その根拠となる法律をはじめ、学習指導要領、教育委員会制度といった国レベルの教育制度はもちろん、アクティブ・ラーニングやフリースクールなど、制度とはなっていないがよく聞く言葉、校務分掌、学校徴収金、教職員のリスクマネジメントなど学校レベルの課題も収録した。
 著者は長く文部省・文部科学省で教育政策に携わってきた樋口修資さん(明星大学教授)を中心に、学校事務職員を経て教職員組合活動に従事した野川孝三さんが一部を分担した。制度を作る側の経験者と、学校現場の意見を集約して改善を目指す側の経験者が共同で執筆している。
 このコミュニティー誌の編集者はまえがきで、「教職志望の大学生や若手教職員に、これからの学校教育を考え、議論し、実践するために本書を活用してほしい」と思いを述べる。
 教員同士、ぜひとも知っておきたい基礎知識を絞り込んである。インターネットで簡単に情報を得られる時代だからこそ、共通の知識は持っておきたい。そこから対話と議論が始まるのではないか。
(1320円 武久出版)
(啓)

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