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一刀両断 実践者の視点から【第24回】

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教員わいせつ行為防止法が成立

 やっと、教員わいせつ行為防止法が成立した。運用に当たってはかなりの課題が残っているように感じる。政治としてなすべき事であったが、日本らしい遅さが際立っている。
 それにしてもこうした法律が世界の国のどこに存在するだろうか。致し方ないが、日本の教育として恥ずかしい気もする。それも教師に特化しているおかしさがある。
 免許で云うなら医師や弁護士は別格なのか。現在、教師不足は深刻な状況になっているが、こうしたことは想定内の事である。なのに、悲鳴や犠牲者が出ないと動かない行政や政治家の怠慢体質は依然として変わってはいない。それを許す国民がいるのである。
 何事も後手ではなく、先手先手に行動することを私たちは子どもたちに教えているはずである。危険を予知・予測する能力を子どもに求めているのは文科省なのである。
 議員立法に関わった面々の労は認めるが、「遅くなってすみませんでした」と、犠牲となった、あるいは、なっている児童生徒や関係者に、先ずは云うべきではないだろうか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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