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一刀両断 実践者の視点から【第32回】

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校長への指導責任

 《校長がいじめの質問用紙を無断で相手家族に渡したのは「軽率」 仙台市いじめ専門委調査部会 泉区母子心中》(仙台放送)という見出しの記事には呆れた。
 当たり前の事ではないだろうか。小学校の低学年でも判断できそうなことを専門委の考えとして一致した、と出すのだから話にならない。こうした当たり前の事の判断を校長が誤った背景には触れられていない。
 管理職に求められる力量の最重要なものに判断力がある。判断が明らかに狂ってしまったのは何故なのか。証拠として見せる必要があるとしたのは何故なのか。それは結果を急いだせいなのか。
 この判断力で日常から校長決裁がされていたとなると、この案件以外でも力量を疑う事案があったはずである。そこを事前に指導し指摘をされていたかが気になる。その指導責任は法規上、教委にある。
 よって放任したかもしれない教委の責任も専門委員会は追及して改善せねばならない。その一番肝心な事がほとんどの委員会で出来ているとは思えない。よって、そうした委員しか委員にしないと指摘されても仕方ない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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