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一刀両断 実践者の視点から【第35回】

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論説・コラム

校則から学べることは

 校則について騒がれている。中でも頭髪関連ではツーブロックなどを認める認めないと議論しているが、まずは、身なりがどのような影響を与えるかを学ぶ必要がある。
 学生に街にインタビューに行かせて感想を聞いた。しみじみと、「私は行き交う人に無視されました。何故かと考えると髪の色もこんなだし、服もこんなだからだと思いました」と語った。
 違和感を与えていることを痛感したわけである。その後、警察からそちらの学生から話しかけられたと苦情が入った。これは想定内の事であったが当初の目的は達成された。
 さて、ピアスやタトゥーなど国によっては当たり前のようになってきている。日本の文化には、親からもらった体なのだから傷をつけては申し訳ないと教えられて来た歴史がある。
 勢いで恋人の名前を入れ墨をして剥がしてある人の腕を銭湯でよく見かけたものである。元に戻るレベルのものと消えないものがある。この線引きは大切である。
 高校の頃に風紀を維持するために頭髪で耳にかからないようにするという基準が示された。頭髪乱れるゆえに人心乱れると言われるが、清潔感を維持して長髪にしていることで風紀は乱れるのかと生徒会で論議した。
 何故か頭髪委員会が設置されて私が委員長に推薦されて疑義を整理した。委員会までも作る必要があったのかと最近まで感じていたが、今振り替えると大変に先進的な事を論議する校風があったことになる。その後県内有数の進学校になったが、その校風は変わっていない。
 あの時に髪を伸ばしすぎた為か今は面影もない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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