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一刀両断 実践者の視点から【第39回】

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論説・コラム

飲酒運転事故で児童死亡

 今週の月曜日、八街で小学生が事故に遭った。あまりに酷い出来事である。飲酒運転だったという。
 下校時刻に酒を酔った状態で運転をしていたとなると、常習性も懸念される。路上に人が出たので避けようとして起きた事故だったとしても、そうした事態を想定しながらハンドルを握るのがドライバーの基本だろう。
 安全運転義務をしていても不可抗力の事故は起きる。鉄の塊を運転しているのだから生身の体などたまったものではない。その自覚があれば事故はもっと防ぐことが出来るはずである。
 尊い未来を奪われたこの事件は明らかに防げたのではないか。原因究明を徹底しなければならない。それがせめてものすべき事である。すなわち、予兆を感じ予測する事ではないだろうか。
 加害者の家族は飲酒運転の実態を知っていたはずであり、その危険性を会社に伝えてはいなかったのであろう。
 気になるのは、事故の要因となった右から飛び出してきたとされる人の証言である。それが事実なら責任を問われなければならない。
 このようにひとつの事故から多くの誘引要素を明らかにしてこそ、再発を防ぐことになる。
 ハンドルに触ると、アルコールに反応してロックしたりサイレンが鳴ったりするように出来ないだろうか。また、心理の不安定な場合は解錠も出来ないようにドアにセンサーを付けるなどを検討し、抜本的な視点から改善すべきではないだろうか。
 この悲しみはあまりに深く、校長をはじめご家族の心を察するに、同情ではあまりに他人事にしてはならない。加害者を重い刑に処してももとには戻らない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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