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コロナ下の学生、孤独感強まる

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全国大学生活協同組合連合会調べ

 全国大学生活協同組合連合会が10日、コロナ下の大学生活についての調査結果を公表した。講義がオンライン中心となる中、今年7月時点での回答結果によると、東京や九州地方などでは半数以上の学生が週0~1日の登校になり、孤独感を強めている実態が浮かんだ。大学に同級生や先輩とつながる機会を求める声が上がった。
 調査はインターネットで実施。全国の大学・大学院生7832人が回答した。
 登校日数は地域差があるが、東京では「週0日」が35%、「週1日」が25%で、合わせて6割に上った。九州・沖縄でも「週0日」が27%、「週1日」が24%だった。
 オンライン講義に対しては「いつでもどこからでも参加できる」が50%と肯定的な声もあったが「課題の量が多い」(47%)、「集中力が対面授業に比べて続かない」(58%)と課題も指摘された。
 また、多くの大学で対面とオンラインの両方で授業が続けられているが、「対面授業の前後にオンライン授業があり、オンラインを受ける場所が確保しづらい」とする声も19%あった。
 就職活動やインターンシップに対する不安も聞かれた。3年生が最も多く、「オンライン就職活動のやり方が分からず不安」は53%、「オンラインだけでは社風や働く環境が分かりづらく、入社後のギャップが不安」は47%だった。
 調査結果の報告には現役の大学生も参加し、実感を語った。龍谷大学2年の三浦蒼玄さんは「分からないところがあってもオンラインのため周囲に聞けない。休み時間にも誰とも話せず、部屋の中で、一人で次の授業に備えるのは孤独を感じる」と話した。また、明治学院大学2年の青島直紀さんは「オンラインによって人とのつながりが希薄になったと感じる。3日間ほど気分が落ち込み、起き上がれないこともあった」などと振り返った。
 全国大学生協連では学生のアルバイト環境の変化や講義のオンライン化によって「大学生の暮らし・学び・コミュニティーに危機が起きている」と指摘している。

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