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一刀両断 実践者の視点から【第86回】

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論説・コラム

対症療法で済ませぬために

 日本人は失敗を繰り返すと言われる。対症療法で済ませる習慣があるからかもしれない。しかし、小手先では対処できない課題が地球全体に広がっている。環境問題や食料問題、資源問題、人権問題そして感染症対策とどれも見過ごせない。我が身に繋がっているものばかりである。
 感染症対策は今後も続く事が推測される。
 このため、地球規模での学びが必要であって、他民族や思想信条への理解に努めつつ共存のための話し合いが必要になる事は誰もが認識はしているだろう。しかし、そのイニシアチブを取れるリーダーが存在しているとは思えない。これからそうしたリーダーが現れなければ地球は廃墟となってしまう。
 そうならないようにする可能性は唯一教育が持っている。特に幼児教育、母親教育に私は希望を持っている。命を守り、命を繋ぐ生命の連鎖と夢や希望に満ちているからである。
 また、この期における対策は、家庭にあっても地域にあっても、なるべく小単位で今回のコロナ禍への意識や対応を振り返ることである。すべき事は何か、してはならないことは何かを確認し、意識を高めておくべきである。すなわち、個から全ては始まり広がる。今回は飲食店への人流に原因を求めてはいるが、突き詰めるとそうとは言えない指摘もある。
 やたら行政や政治の動きに右往左往するのではなく、まずは自ら、身近なところからやれることの確認をすることが、不測の事態に耐えられる素地になると私は思っている。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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