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一刀両断 実践者の視点から【第92回】

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論説・コラム

新内閣に思う

 初代総理の伊藤博文から数えて100代目が岸田総理と知って、改めて総理の短命に驚いた。その中でも何人の総理の名前が言えるだろうか。言えたとしても何の役にも立たない虚しさがある。
 人材が豊富なのか希薄なのか定かではないが、器がかなり小さくなっているように感じられる。次々に国のリーダーが変わる状態は、良いのか悪いのか。
 以前、ある大臣に会った際に質問をしてみた。「せっかく良い取り組みをしているのに何故辞めるのか」と、すると顔をしかめて、「まだ、やりたかったがあの人から指示されたので」と、ある長老議員を教えてくれた。大臣も駒にしか過ぎないと痛感した。
「後任の大臣の当選回数は自分と同じだが、参議院の経験があったのでこの順番になったんです」と、伏し目がちに話してくれた。
 今度の新文科大臣の末松信介氏は、兵庫出身である。不祥事が頻繁に起き続けている地域である。どのように変化が起きるかを期待したい。灯台もと暗しにならぬような目に見える改革を進めて欲しいと思う。
 歴代の文科大臣を経験した議員はその後、重要ポストに繋がっていると見て取れる。萩生田氏は、懐事情が厳しい文科省から、金回りがよさそうに見える経産省へと移った。困窮する教育への支援も心から期待したい。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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