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いじめ、暴力が減少 コロナ下での対面離れも影響

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文科省調査

 昨年度に起きた学校でのいじめや暴力行為の件数が、前年度よりも減少したことが令和2年度の文科省の「問題行動調査」で分かった。新型コロナウイルスの影響で子どもたちの対面でのやりとりが減ったことが主な要因と見られるが、文科省の担当者は「コロナウイルスを理由としたいじめに、現場が丁寧に対応したことも大きい」としている。
 いじめの認知件数は小学校が42万897件、中学校が8万877件、高校が1万3126件、特別支援学校が2263件で合計51万7163件。前年度より9万5333件減少した。児童・生徒千人当たりの認知件数は39・7件だった。
 暴力行為は小学校が4万1056件、中学校が2万1293件、高校が3852件で、前年度から1万2586件減少した。中学校では75%、高校では58%になった。
 一方、不登校とされた小・中学生は増加し、過去最多を更新した。前年度より1万4855人多い19万6127人で、8年連続で増えている他、全体の55%が90日以上欠席していた。また、長期欠席のうち理由を「コロナウイルスの感染回避」としたのは、小学校は1万4238人、中学校は6667人、高校は9382人だった。
 小・中学校と高校の自殺者も415人(前年度317人)で、調査開始以降最多だった。厚労省の自殺統計でも同様の結果が示されていた。
 いじめの件数の減少について、文科省の児童生徒課では「出席日数や授業時数の減少がいじめの件数に表れたが、子どもと教員とのコミュニケーションが減ったために、いじめを早期発見できなかった恐れもある」と課題も指摘。一方で「東日本大震災後のようないじめが起きないか心配したが、学校現場が丁寧に教育してくれた」と話している。

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