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一刀両断 実践者の視点から【第104回】

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仕事量を絞る

 「教諭の3割、教頭半数が過労死ライン超」(千葉日報)の見出しで千葉県内の調査結果が報じられた。6月の調査なので、行事やコロナ対策があったことは理解できる。ただし働き方改革がほとんど機能していない事は明らかである。指針は出しても、現場には有名無実となっているのである。なぜそれが出来ないのか、特に教頭の半数は当然かもしれないと誰もが感じているのではないだろうか。仕方ないよね。まずいだろうけど。と、容認しているわけである。
 やりがいなのか。その先の校長への登竜門と心しているからか。都内では管理職への希望者が激減し欠員が続いて久しい。千葉県でもその傾向が始まっている。
 具体的な解決策は難しくはない。蛇口から流れ出る仕事量を絞ることである。では、誰が絞るのか。残業になることを考えずに垂れ流す張本人を洗い出し、制御するシステムが必要である。
 受け皿は広がらないのだから、まずは蛇口を絞る事である。更に言うなら配慮なく垂れ流すコックに対して、罰金を現場から請求出来るシステムをつくり、職場の健全化を図るには各自治体の教育長の責務が求められる。その認識がなく、働き方を変えると進退をかけて学校現場の為に闘っているような教育長にこのところ会ったことはない。何のためにその職があるのか。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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