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一刀両断 実践者の視点から【第113回】

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論説・コラム

防げたはずの「中3刺殺事件」

 中三生徒が嫌がらせを受けたと思って同級生を包丁で刺して死亡をさせたとされる事件は防げなかったのか。出来たはずである。対症療法では、緊張感が緩めば、この種の事件が何度でも起きることが想定される。
 ならばどうするのか。幼児期から耐性を育み、他者を受容する訓練がされていないことを指摘したい。一例としては、「ピアサポート」が挙げられる。
 また、道徳の授業が歯止めになるはずであるが、そうなってはいない。何故なのか。答えは、児童生徒の心に届いていないからである。上辺だけの取り組みでは知識にはなっても行動までを制御は出来ていない。こうして、今回のような事件が起きている。
 本気モードで忘れられないような授業の出来る教師が必要なのではないだろうか。そこまで踏み込んだ授業のできる鍛練が、今求められる教員養成であると思っている。この提案を読んで、そこまでは出来ないと感じた段階でアウトとなる。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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