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著作権ハンドブック 先生、勝手にコピーしちゃダメ

12面記事

書評

宮武 久佳・大塚 大 著
改正点や基礎知識を易しく解説

 著作権法第35条の改正により、インターネットを活用した授業の幅が広がった。しかし全てが自由になったわけではない。「必要と認められる限度」で、かつ「著作権者の利益を不当に害することにならない」という条件についての理解はなかなか難しい。
 本書は、序章「オンライン授業と変更された教育現場の著作権ルール」に始まり、第I部「5分でわかる著作権の基礎知識」、第II部「著作権の常識・非常識」、第III部「著作権なるほどコラム」と続く。
 実践的に使えるように、Q&Aの一問一答形式で早分かりできるよう構成された第II部。カテゴリーは八つ。学校その他の教育機関について、複製について、公衆送信について、授業についてなどに対し127個の問いが並ぶ。例えばQ56「教科書関連の映像をいつでもダウンロード視聴したい」には「NO。授業に必要な部分だけにしてください」の回答とともに、その対応について分かりやすい解説がある。
 著作権については、教科の指導事項として児童・生徒が学ぶようになった。大人は、著作権の基本ができているのだろうか。「教育だからなんでもタダで自由」という意識から、「教材は必ず作った人がいる」という意識への転換のためにも、本書で理解を深めたい。
(1760円 東京書籍)
(伊藤 敏子・仙台市教育局学びの連携推進室専門員)

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