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小学校教科担任を950人増 文科省新年度予算案

4面記事

行財政

4年間で3・5コマ減

 政府は昨年12月24日、令和4年度政府予算案を閣議決定し、文科省が要求した予算では、小学校で教科担任制を本格導入するための加配教員として950人を増やす義務教育費国庫負担金を盛り込んだ。夏の概算要求では2千人増を掲げたが、半分弱しか認められなかった。来年度から4年程度をかけて、950人ずつ計3800人増を目指す。実現すれば、小学校教員1人当たり、週に3・5時数の授業負担を補う計算となる。
 教員定数増に関しては、小学校の35人学級化を引き続き進め、新年度は3年生で導入する。1、2年生は既に35人学級が実現していたため、実質的には令和4年度が35人学級化の拡充初年度となる。
 教科担任制に関して、財務省は、小規模校では中学校との連携で、一定規模の学校では、担任教員同士の授業交換で教科担任制が実現できるとの考え。文科省の要求額を圧縮した上で認めた。

 本年度、本格始動したGIGAスクール構想では、民間企業などに委託し、教育委員会対象の助言者を確保する。また、各教科等について、1人1台端末の効果的な活用方法を動画にまとめて提供する。

 中央教育審議会の特別委員会で検討が進む「幼保小の架け橋プログラム」では、1億8千万円を確保し、モデル地域での検証などを行う。

 昨年1月の中教審答申で掲げた普通科高校改革では、新年度から学際領域に関する学科と地域社会に関する学科を設置できるようになる。そうした学科を設置する国公私立高校の中から、24校に560万円ずつを出し、義務化されている関係機関などとの連携協力体制の整備を進める。

 特別支援教育に関しては、特別支援学校用の文科省著作教科書を活用し、デジタル教材を開発する。

 昨年、わいせつ行為(児童生徒性暴力等)に走った教員への対処を厳格化する法律が成立したことを踏まえ、本年度補正予算と合わせて、教員免許状が失効した人のデータベースを構築する。加えて、児童生徒性暴力等を防ぐための研修や啓発活動についての事例集を作成する。

 末松信介文科相は大臣折衝を終えた22日の会見で、小学校の教科担任制を進めるための教員加配について、来年以降も毎年、財務省との折衝が必要であるとした。今回の予算案説明資料では文科省としての考え方として示した。
 予算案の閣議決定を終えた24日の会見では、まずは4年間で3800人を加配し、「全ての教師が3・5コマ減となるよう努力を行っていきたい」などと話した。

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