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教委6割強が変形労働時間制導入せず

4面記事

行財政

文科省調査

 法改正により本年度から公立学校でも導入できるようになった「1年単位の変形労働時間制」について6割強の都道府県・政令指定都市教委は条例を整備する意向を固めていないことが文科省の集計で分かった。昨年12月24日、学校の働き方改革に関する調査結果として公表した。
 この調査は昨年9月1日を基準日とし、全ての教育委員会から回答を得た。「1年単位の変形労働時間制」は都道府県か政令市が条例を制定することで導入することとなる。1日当たりの労働時間を時期によって長くし、長期休業期間中に休日をまとめて取得するなどの運用ができるようになる。
 休日のまとめ取りのための変形労働時間制について、条例制定の状況を調べたところ、「令和2年度中の議会で条例の整備を行った」は都道府県で19・1%(9教委)、政令市で5・0%(1教委)だった。
 「令和3年度中の議会で条例を整備する予定」は都道府県で6・4%(3教委)、政令市はゼロ、「時期は未定だが、条例の整備を行う予定」は都道府県で19・1%(9教委)、政令市はゼロだった。
 一方、「条例の整備を行う予定はない」は都道府県で2・1%(1教委)、政令市で15・0%(3教委)、「条例の整備を行うか否かを含めて検討中」は都道府県で53・2%(25教委)、政令市で80・0%(16教委)となり、合計すると6割以上の都道府県市が検討中または導入しないという状況にあった。
 文科省は、この制度について、法改正の趣旨や意義の周知徹底を図るとともに、「新型コロナウイルス感染症の状況を含め、地域や学校の実態に応じて、各地方公共団体で判断するもの」との見解を示している。

 この調査結果は各地の働き方改革の事例紹介を交えて、ホームページで公開した。改革事例には、職員会議資料のペーパーレス化(三重県御浜町)、欠席連絡など保護者・学校間の連絡手段のデジタル化(茨城県筑西市)、教員業務支援員(スクール・サポート・スタッフ)のマネジメントと支援員同士の情報交換会(千葉市、大阪府門真市)を収録した。

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