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一刀両断 実践者の視点から【第143回】

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論説・コラム

組織を変えるには

 ロシアのテレビ局で、スタッフが命がけの抗議を行った。「ロシア人がだまされている」と訴えるニュース映像が流された。本人は即刻拘束された。
 この行動は世界へとかなりの反響を及ぼした事に間違いない。しかし、本人が受けるリスクは半端ではない。
 日本にもそのような人物がいて欲しいものである。こうした行動の出来るアナリストはいるだろうか。危害を受けない範囲でしか話していないように感じられる。その偽善の言動に振り回されている者も少なくはないのである。
 気づき考えても行動は無難にとなると冒頭の命をかけた行動はするつもりも微塵もないし、誘われても理由をつけて雲隠れするのは見えている。こうした人は殆どが損得で判断して行動する。手のひらを返すのは常習で、鼻持ちならないのである。
 身近な例で言うと、明らかにおかしいと感じる時に、御言葉ですがと、我を計算に入れないで上司にも話のできる人徳を備えた人物がいるか見回して欲しい。
 反対をかざして不平分子を集めて体勢を批判するより、中に入って改革する事の方が大変ではあるが確実なのである。その意味では、このテレビ局においても同じ意志の者がいる事が分かる。特にカメラは写し続けた事からも推測できる。内部からの改革でしか変えられないのが組織である。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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