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高校の文理横断推進を 教育未来創造会議で論点整理

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 会議に参加する岸田首相=官邸のウェブサイトから

 政府は3月30日、岸田文雄首相を議長とする教育未来創造会議を開き、大学卒業後の所得に応じて「出世払い」できる新たな奨学金の導入を検討することなどを盛り込んだ論点整理をまとめた。初等中等教育では、高校普通科で文理横断や探究的な教育を進めることを求めた。岸田首相は会合で、5月中に第1次提言をまとめるよう指示した。
 所得に応じて返済が変わる奨学金の仕組みは、オーストラリアなどが導入しており、国内でも自民党内で検討が続けられてきた。現在、一般的な貸与型奨学金は、卒業後の返済が利用者の大きな負担になっている。論点整理では「恒久的な財源の裏付けを念頭に置いた上で、卒業後の家計収入の状況に応じて柔軟に返還できる奨学金の在り方の見直しを行う」などと明記した。
 初等中等教育では、問題解決能力を高める学習の充実を訴えた。STEAM教育や気候変動問題について考える教育などを挙げ、専門性を持った教員が指導する体制を整備することを求めた。文科省では本年度から小学校高学年で教科担任制を導入する他、今後、特別免許状の活用を図ることも検討している。
また文理横断について大学入試でも導入を進めるとしている。
 会議では、デジタルや自然エネルギーなどの成長分野を強化するために大学の学部再編を促すことや、大学でオンライン教育を現行の上限を超えて実施できるようにする特例の創設も盛り込んだ。

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