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うつでも「相談せず」小学生25%、中学生は35%

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国立成育医療研調べ

 国立成育医療研究センターが新型コロナウイルス感染症の流行による子どもの生活や健康への影響を調べたところ、うつ状態でも「誰にも相談せず様子を見る」と答えた小学5~6年生が25%、中学生が35%を占めることが分かった。コロナ禍が長引く中、心の悩みを抱え込む児童・生徒が一定数いることを示している。
 調査は昨年12月、全国50自治体の小学5年生から中学3年生を無作為抽出して実施。2418人の児童・生徒が回答した。
 思春期の子どもを対象としたうつ症状の重症度尺度で、中等度以上の抑うつ症状が見られた小学生は9%、中学生は13%だった。
 典型的な抑うつ症状を示すある子どもの文章を読んで考える設問には、児童・生徒の95%が「助けが必要な状態である」と答えた。一方、自分が同じような状態になった場合、「誰にも相談しないでもう少し自分で様子を見る」と答えた児童は25%、生徒は35%だった。
 また、重症度の高い抑うつ症状を示す児童・生徒ほど、「すぐ誰かに相談する」と回答した割合が低く、「誰にも相談しないで様子を見る」と回答した割合が高かった。
 同センターは「『子どもに抑うつ症状が見られても、子ども本人やその保護者が相談や受診をしづらいことがある』という知見に向き合い、家庭や学校、地域社会などそれぞれのレベルでのセーフティーネットづくりや啓発が急務だ」と指摘する。

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