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デジタル教科書「最低限の機能で導入を」中教審WG

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中教審

 学習者用デジタル教科書の導入の在り方を議論している中央教育審議会のワーキンググループ(WG)が5月26日に開かれ、委員から令和6年度の導入時点では、最低限の機能にとどめるのが望ましいとする声が出た。情報端末の利用頻度が学校間で差が大きいことや、教科書各社が機能をそろえたデジタル教科書を開発するために時間がかかることなどが理由として挙がった。
 WG委員の高橋純・東京学芸大学教授は、日本の教員に「教科書を全て指導する」という指導観が強い中で、デジタル化と動画や音声などの「リッチコンテンツ」の付加を同時に行えば学校が混乱する、という考えを書面で伝えた。
 デジタル教科書の本格導入を目指す令和6年度は、小学校の教科書改訂と時期が重なることから、文科省は、まずは導入初期の機能について方向性を示す考えだ。WGでは、個別最適な学習を実現するため複数の学年を視聴できる内容にすることや、児童・生徒が学校外で学べるようにネット上のフリーコンテンツも見られるようにすることなどを求める意見が挙がっている。

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