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一刀両断 実践者の視点から【第162回】

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論説・コラム

教員志願者を増やすには

 教員養成課程を設置している大学教員の協議会に参加した。教員志願者の減少や、教員の質保障など、学級担任の配置も難しくなる現状の中で、養成段階で何ができるかを論議する会であった。
 教員の不足は、現在の児童生徒数から遡れば、学級数の増減は容易に読める。それを真摯に受け止めずに、その場凌ぎの施策をやってきた行政と政治の責任である事は明白なのである。
 志願者を増やしたいなら給与を大学教員並みにすればよいのではないだろうか。その代わり、大学教員自身の給与を下げるよう提案する動きにならないものか。校長の年収は一千万にも届かないのに比べて、大学教員は30代でもその額を越える者もいる。
 大学教員は国の施策の解説者でよいのだろうか。育成の旗頭に「主体的」「自主的」を掲げているのなら、そうした論議の出来る会であるべきではないだろうか。
 最前線の学校現場には出向かずに、お公家さまのような話し合いや提案に、これではダメだ、と、強く痛感させられた。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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