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「平和守る大人になって」ウクライナ避難民が学校で講演

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教科・指導

キーウから避難してきた大学職員のオルガさん(右)と横芝敬愛高校の1年生=13日、千葉・横芝光町で

千葉・横芝敬愛高

 横芝敬愛高校(千葉・横芝光町、白鳥秀幸校長)は13日、ロシアの侵攻によりウクライナから日本に避難している日本語講師を招き、1年生の総合的な探究の時間に講演してもらう場を設けた。講演したパンコーヴァ・オルガさんは、母国の文化などを紹介した後、ロシアによる侵攻が始まってから日本に避難するまでの様子や、現在の思いを生徒に語り掛けた。生徒は講演内容を文章などにまとめ、ウクライナ問題への探究を深めていく。
 オルガさんは、同高校と関係が深い敬愛大学(千葉市)に留学し、同大学を卒業した。帰国し、日本語・英語の指導者として働き、今年に入ってからは日本語教室を自分で開設。幼い子どもに日本の伝統行事なども教える教室を運営し始めたところ、ロシアによる侵攻が始まった。日本に避難してからは、母校の敬愛大学で働いている。
 13日の講演は3学級ある1年生の全員が対象。オルガさんは、自分で撮影した映像などを交え、日本語で講演を進めた。首都のキーウでマンションに住んでいたオルガさんは、侵攻が始まると、地下室での生活に移り、さらに危険性が高まってからはポーランドに逃れた。
 10歳の息子と共に1カ月間、同じ服を着て生活したことを語ったり、キーウ近郊への侵攻で命を落としたウクライナ人の遺体が映った写真を見せたりもした。学校側は生徒に、海外で放映されるニュース映像では、遺体が映ることがあり、今回の講演で目にするかもしれないと伝えておいたという。
 講演終了後、女子生徒から「私たちにできることは」と問われたオルガさん。「今は、募金することも難しいかもしれないが、今回の事態について知り、広めてほしい。大人になってから、平和を維持することを考えてほしい」などと応じた。
 この講演は、高校側から大学に要請して高大接続事業とも位置付けて実現した。講演に先立って生徒は、ウクライナを巡る最近の動きをプリント類で学んでいる。
 講演を聴き終えた生徒の一人は、「テレビでは分からない現実が印象に残った。自分たちでどうにかしなければならない問題だと思った」などと話した。
 同高校の白鳥校長は、千葉県立姉崎高校などで、学校改革を進めた経験を持つ。千葉県市原市の教育長を経て、横芝敬愛高校の校長を務めている。

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