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一刀両断 実践者の視点から【第190回】

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相次ぐ刺殺と「道徳」

 《秋葉原路上で…ネットカフェ店員が「暴力団幹部を刺殺」ヤバい背景》(FRIDAYデジタル)という見出しの記事が出された。この反応には容疑者を理解するものが多く寄せられている。すなわち困った時に警察に相談しても助けてはくれないというメッセージが出されている。
 暴力団からの無謀な請求が秋葉原では続いているようである。暴対法が機能していないと指摘されても言い訳は出来ないだろう。
 ミカジメ料を要求し死亡した暴力団の組員と安倍晋三元総理大臣の死はまるっきり異なるものだろうか。どちらも法治国家で起きた殺害事件であるし、防げた事ではなかっただろうか。
 ともに警察の姿勢が問われてしまうが、自分事として考えると、警察官として万全を尽くせただろうか。事が起きていないのに強く介入すれば越権行為として、権力の乱用として問題視される事になる。警察ができることには限界がある。
 どのように予防できるのか。幼児から小学校までの人間の基盤を形成する道徳教育が必要なのであり、それに沿った法整備が現実に則して早急にされなくては予防出来ない。
 悲惨なニュースに慣らされる子ども達は未来に希望をもてるのだろうか。それでいいのか!大人たち。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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