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一刀両断 実践者の視点から【第193回】

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政界の「サラブレッド」、傲慢の芽は小・中で摘め

 自民党総務会長の「何が問題かわからない」発言が物議を醸している。学級でも問題が理解できない児童はいる。教師は理解できるような手立てを講じて臨むものである。
 今回の発言は、私には関係ないと言う言葉を言い換えたかのようなニュアンスが残った。問題がないと言っているのではない。これだけ騒がれているし少なくとも関係している上で、問題が分かっていないと惚けている風にも感じられる。
 政治家のサラブレッドのような「血統の良さ」から傲慢さが滲み出ているように感じられる。こうした資質を小中学校で正す必要がある。
 過去に勤務した学校で、政治家や弁護士の威光を背に、教員を見下して話す保護者が居た。それが何でしょうかと返答すると、逆上する。辞めさせてやる、異動させてやる、とヒートアップするのである。
 教委も教師もこうした圧力に極めて軟弱である。私はこれまで裁判のある学校の校長として配置頂いたので、多くの弁護士とやり取りをしてきたが負けた事は一度もない。それは法の軟弱さと強さを知っているからである。
 慢心な政治家にしたのも私たちである。悪い芽は早目に摘み取らないと本人も含め皆が不幸になる。偉いと見せている輩に本物はいない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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