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振り仮名・書き込み機能必要 デジタル教科書で授業し研究

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教科書研究センターまとめ

 デジタル教科書にはどのような機能が必要か―。公益財団法人の教科書研究センターは、デジタル教科書に必要な機能について小学校の教員から協力を得て、実際の授業を通し、中間まとめとして整理した。漢字に振り仮名を付ける機能をはじめ、教科書に何かを書き込む機能などが特に必要な機能だとしている。

授業で使い研究
「読み」の苦手意識なくす

 振り仮名については、「読めない漢字があるごとに辞書で調べたり、先生に質問したりしていた児童にとっては、読むことへの苦手意識を取り除くことになる」と評価している。この中間まとめでは既に発行されているデジタル教科書の具体的な使い方が見えてくる。
 同センターは、文科省が令和6年度から、学習者用デジタル教科書を本格導入しようと検討を進めていることを踏まえて、この研究を始めた。国語、算数、理科、社会の4教科について、14人の教員が既に導入されているデジタル教科書で授業を行い、必要な機能を挙げてもらった。
 デジタル教科書は、特別支援学級で学ぶ児童・生徒の特性に合わせて学習を助ける機能を持つ。今回の研究では、通常学級の児童に絞って、必要な機能を精査した。
 必要な機能として挙げた「ルビ機能」を活用する場面の例としては、国語に関し、「新出漢字の学習や漢字ドリルに取り組む前でも音読ができる」などとまとめた。一斉指導、個別指導、家庭学習などそれぞれの場面で読み方が分からない際、この機能が学習を助ける。
 他の教科でも同様で、「今までは読字、書字障害児にとって、毎回、辞書で調べるなど、漢字を読むことに時間を取られ、内容に注目できず、児童の学習意欲の低下の要因となっていた」と指摘している。
 「ペン・マーカー機能」は、印刷した教科書だと線を引いたりすると簡単には消せず、何度も書き込むことは困難であり、デジタル教科書の代表的な機能だと位置付けた。定規がなくても直線を引けるといった利点もある。
 この他、教科書の記載の中から、部分的に抜粋したり、並べたりする機能や、児童が自分の言葉・文章を書き込む機能を挙げた。国語の授業で、教材の要点をまとめつつ、全体像を捉える際に、本文を抜粋して並べ替えたりする場面で活用したという。
 理科の授業では、紙のノートが不要になり、実験の際、机上が広く使えるようになるという利点があった。
 動画の必要性にも触れている。数秒程度の動画を組み込むことで、写真・絵よりも格段に理解度が高まるとしている。
 この研究は、千葉県船橋市立葛飾小学校の秋元大輔校長を主査とする部会を設けて進めてきた。中間まとめは、同センターのホームページからダウンロードできる。

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