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一刀両断 実践者の視点から【第196回】

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黒塗り文書を公に

 宗教団体の名称変更をめぐり、文部科学大臣を経験した国会議員の1人に注目が集まっている。書類の不備があっても承認したという。承認しなければ、裁判になった際、負けていたという発言もあるようだ。関わった職員の中には、心ある者が居るだろうから、黒塗りの文書を公にしてはどうであろうか。
 信頼を築くことは大変だが、壊すのは一瞬である。文科は教育の本丸であるのだから、全国の教師や子どもたちに示しをつけねば、学習指導要領の信頼度も揺らいでしまう。
 教育者としてアクティブ・ラーニングを導入したご本人がノンアクティブを主張されるのも面白いが、ダボス会議にも行かれ、いつの日か総理にと願い、願われていた事で脇が甘くなったのかも知れない。
 塾経営から財をなし、大志をもって政界へ出られた話は知られている。手腕は並以上な事は分かるが、今回の出来事は納めきれないと、余波は党の分裂にまで至る気がする。様々な脅威が我が国には迫りつつある現実の中で、どこへと落とし所を持っていくのか、日頃より学校現場を指導している文科省だけに、教師は冷静にそして厳しく注目をせねばならない。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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