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「平和」主題に授業づくり 中高生と教員が提案

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 8月15日の終戦記念日を前に12日、全国の中高生や教員がオンライン上で話し合いながら、「平和」をテーマにした授業をつくるイベントがあった。「平和教育は人を説得することではない」と語った米国出身の活動家の話を受け、参加者たちは戦争についてさまざまな視点で考える授業のアイデアを練った。
 イベントは、10代が世界とつながり、探究的な学びが行えるEdTech教材を提供する「Inspire High」(東京・世田谷区)が主催。経産省の「未来の教室」や広島県、長野県、熊本市、埼玉県戸田市の各教委、国公私立の中学校や高校などが協力した。生徒70人と教員20人が参加した。
 前半は、米国出身で広島の平和活動家であるメアリー・ポピオさんをゲストに、戦争のない未来はどうすればつくれるのか考えた。
 メアリーさんは米国の大学を卒業後に広島へ移住し、平和学習を広めるNPO法人「Peace Culture Village」を共同設立した。原爆を投下した米国の出身であることに葛藤を抱えながらも、被爆者と出会い、自分を受け入れてくれたことが活動のきっかけだったという。
 「まずは世界情勢の中で自分が関心のある内容につながり、さまざまな視点で考えることが大事。対話し、自分の見方を知ることで世界を変えることができると思う」と伝えた。
 後半は、4~5人のグループに分かれ、メアリーさんの話を踏まえて授業案を作成した。女子高校生のグループは、連想ゲームや日本人の生徒同士での議論、米国の同世代との意見交換と、段階を踏んで平和を学ぶ授業を考えた。
 教員のあるグループは、原爆の投下時刻に止まった時計や手記の読み比べ、音楽を手掛かりに戦争を考える授業を提案。「生徒が落ち込むだけではなく、楽しさや明るさもあってほしい」と話した。

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