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一刀両断 実践者の視点から【第210回】

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論説・コラム

稲盛和夫さんの逝去

 稲盛和夫さんが御逝去された。激動の人生であった事、走り抜かれた様には手本としたい生き様がある。
 こうした人物には、必ず不遇な時がある。それも人間としての根っ子の部分になる青年期である。
 執務室には「敬天愛人」が掲げられ、利他の心をモットーにされている。なんと言っても人相の良さに私は惹かれる。
 それはそうした生き方に徹されたからだろうが、そこに指針を定めて生ききる意志を貫かれた訳である。
 青年の育成にも、自己の衰えをなげうって尽くされた事が本物の証左である。だからと言ってプライベートも含め順風満帆ではないから学ぶ事が多いのである。
 特に中国での利他の心についての講演は、現在の指導者からすると真逆の内容であるが、稲盛さんの教え子達がその意志を強固に世界全体に利他の行動を開始して欲しいと期待したい。
 年少期に稲盛少年は何を感じたのだろうか。稲盛少年を育てた教師に私は会ってみたい。概して真の教育者は教え子の成長を下から見上げるもので、俺が育てたとか教えたとかは言わないものである。
(おおくぼ・としき 千葉県内で公立小学校の教諭、教頭、校長を経て定年退職。再任用で新任校長育成担当。元千葉県教委任用室長、元主席指導主事)

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