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社会科教材の追究

12面記事

書評

佐藤 正寿 監修
宗實 直樹 編著
石元 周作・中村 祐哉・近江 祐一 著
「いち押し実践」と開発のヒント

 子どもたちが夢中になり、学習のねらいが達成できるような授業をしたい。これは教師に共通する思いだ。教材の代表は教科書教材。教科書教材を使う場合も、どのように学習を組み立てるか、そこに教材研究の必要性が生じる。教材研究の深さが授業を左右するのだから。
 社会科は、広く社会的事象を学習対象とする教科。教科書教材以上に、子どもたちに身近で切実感があり、追究の価値がある素材はないかと探し、教材化した優れた実践が数多くある。独自開発した教材で手応えを感じると、教材開発の醍醐味を味わうようになる。だから、よく「社会科は教材で勝負」といわれる。
 本書は、教材の開発に熱意を持ち、共に授業の在り方を追究してきた教師たちが、「教材」について真正面から考え、「教材化」のヒントとなり、「教材設計」する力の向上になればとの願いを込めて作られたもの。
 初めに、「教材」とは何かについて押さえ、先輩教師の実践例を紹介。次に、素材の発掘方法、教材の具備すべき要件、教材化の手順、単元のデザインなどの理論を述べ、4人の教師が、自分の「いち押し」の実践を紹介して、具体像が描けるようにしている。
 著者らは、教材化とは、「見えないもの」を見えるようにしていく教師の営みと言う。社会科に限らず、他教科の教材化においても参考になる内容だ。
(2310円 東洋館出版社)
(大澤 正子・元公立小学校校長)

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