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学びの環境をデザインする学校図書館マネジメント

12面記事

書評

「シリーズ 学びの環境デザインを考える」第1巻
野口 武悟・大滝 一登 編著
小学校での改革の歩み、克明に

 学校図書館の館長は誰なのか。当然、校長である。では、各学校の校長は、その自覚を持っているのか。そして、学校図書館の使命と具体的な機能を十分に理解して学校全体のマネジメントの中に学校図書館を位置付けているのか。
 政府が策定する「子どもの読書活動の推進に関する基本的な計画」が本年度で最終年度を迎える。令和5年度からの次期基本計画の策定に向けて、有識者会議では、発達段階に応じた読書習慣の形成や読書とICTのベストミックス等を検討事項として議論が進められている。
 そのような中、本書には学校図書館マネジメントの意義、歴史、理念と機能、さらには教育施策、学習指導要領との関連、校内体制と担当者の役割が明確に示されている。また、本書は「学びの環境デザインを考える」シリーズの第1巻であり、第2巻「情報教育と学校図書館が結びつくために」、第3巻「学びをつなぐ学校図書館」へと続いていく。
 まずは、校長自らが学校図書館へ常に足を運び、3機能の充実とともに児童生徒にとって心地よい「居場所」としての空間づくりを進めていくことが大切である。校長をはじめ司書教諭や学校司書を中心とした全ての教職員による組織的な学校図書館運営に向けての必読書である。
(1980円 悠光堂)
(重森 栄理・広島県教育委員会総括官(乳幼児教育)(兼)参与)

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